同じ玉ねぎでも、丸くなく少しいびつなモノや切ってみると少し異なった玉ねぎがありませんか?
それは、「抱き玉」と言って、基本は製品ではなく、外品として加工用になるモノです。
そのため、選果の際には仕分けしないといけません。
今回は、玉ねぎの選果の中で知った「抱き玉」についてまとめてみました。
抱き玉について
*写真は、赤玉ねぎです。
抱き玉とは、ひと言に玉ねぎが「分球」したものです。
1個の玉ねぎの中に分球したことで2つ、3つと球が分かれてしまったことを言います。
タマネギ栽培では、途中で球が分かれる「分球」という現象が起こることがあります。
これは生長点が分岐したものです。
奈良県HP 新聞掲載
http://www.pref.nara.jp/31003.htm
原因
秋まき栽培で早まきしたり、苗が大きくなりすぎた時、一次分球が見られることがありますが、その苗が肥大すると玉割れ現象を起こします。
タキイ種苗
http://www.takii.co.jp/tsk/hinmoku/ata/p2_bdy.html
(前文省略)約1か 年近い短日条件下での栽培でも第1次分けつ以上はみられないし,また第1次分けつもすべての株においてみられるものでないので, 短日はタマネギの分けつに関係していないものと思われる。
一方長日下では球が形成され,球の肥大が進むと分球数も増加し,球の大きいものでは第3次の分球がみられた。
球が小さいとき分球が少ないので,長日条件は直接分球を誘起するのでなくて,球の形成肥大を誘起し,球の肥大によって分球が1次より2次へ,2次より3次へと行なわれるものと考えられる。
園芸学会雑誌 タマネギの球の形成肥大および休 眠に関する生理学的研究 加藤 徹
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjshs1925/32/3/32_3_229/_pdf
つまり、この論文から長く日光に当たるから分球するというよりは、
長く日光に当たり肥大することで「分球」するということみたいです。
大きく作りすぎると分球しやすいということですね。
また、品種によっても分球しやすいモノとしにくいモノがあるようです。
抱き玉(分球)を切ってみた
*写真左が普通の玉ねぎ、右が分球した玉ねぎ
見てわかるように、通常の丸い形ではなくボコッとしています。
普通の玉ねぎの場合
抱き玉の場合
1個の玉ねぎの中に2つの中心部があるのが分かります。
玉を抱いているので、「抱き玉」と言っています。
さらに、真ん中あたりを切ると・・・
分球が明らかです。
まとめ
今まで、何気なく玉ねぎを買って切っていましたが、今は見て確認するようになりました。
玉ねぎのことが少し分かり良かったです。
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