その他

品種色々玉ねぎ比べてみた②

野菜や果物にはいろんな品種があります。
果物では、品種によって味が違うのが分かると思います。
野菜でも、ジャガイモはメークインや男爵のように、食感や煮崩れの仕方が異なります。
そのため、スーパーでも品種名が書かれて売られていることがあります。
しかし、「玉ねぎ」はどうなのでしょうか?
赤や白い玉ねぎは異なることが分かりますが、黄色い玉ねぎは全て同じに見えます。
スーパーでも「北海道産」などの産地は書かれていても、「玉ねぎ」の品種名は書かれていません。
そこで、今回は玉ねぎについて品種のことを中心に調べてみました。

新玉ねぎと普通の玉ねぎの違いとは?

新玉ねぎ

たまに、スーパーで新玉ねぎという表示を見ます。
新玉ねぎの方が、甘くてそのまま生でも食べられるということを耳にします。
しかし、新玉ねぎと普通の玉ねぎの違いは知っていますか?
実は、収穫される時期に違いがあるのです。
通常の玉ねぎは、春に種を植え、秋に収穫をして出荷します。(春まき栽培)
しかし、新玉ねぎは、秋に種を植え、春に早取りして出荷します。(秋まき栽培)
通常の玉ねぎは、収穫した後に約1ヶ月以上乾燥させて、皮を乾かすことで腐りにくくしています。
しかし、新玉ねぎはそのようなことをせず収穫してすぐに出荷します。
そのため、みずみずしく甘みがある玉ねぎになるのです。

黄玉ねぎの特徴は「極早生」「早生」「中晩生」と生育期間の違いで分けられ、貯蔵性や食味も違いが生まれてきます。
極早生はみずみずしく、辛味が少ない。中晩生になると辛味が多くなり貯蔵性が高くなるといった特徴があります。
販売されている時期によって、同じ玉ねぎでも、実は品種が違っているのです。

JAきたみらい https://www.jakitamirai.or.jp/nousantop/onion/onion4/onion4_01/
北海道で玉ねぎを乾かしている様子(畑にビニールシートをかけて風乾)

北海道では、春植えて秋に収穫する所が多いので、長期間貯蔵できる普通の玉ねぎが主流です。
よく見る新玉ねぎは、淡路産や静岡、佐賀県産が多い気がします。

なぜ、農家が1つの作物で何種類もの品種を作っているのか?

左から2個赤玉ねぎ、右から3個黄色玉ねぎ

実は、普段何気なく買っているモノでもいつの間にか品種が切り変わっています。
単純に考えれば、同じ品種をたくさん作った方が手間が省けると思いませんか?
しかし、野菜でもなんでも作物は品種によって植える時期が異なり、結果収穫の時期も変わってきます。
そのため、長期間1作物を出荷し続けるなら、早く植える品種(早生)から遅くに植える品種(晩生)を植える必要があります。
それによって、長期取りが可能になります。
だから、実は気づかない所で私たちが普段口にしている作物の品種が切り替わっているのです。
私が以前働いていた、トウモロコシで2種類~、レタスで3種類違う品種を作っていました。
北海道の玉ねぎ農家では黄色玉ねぎだけで4種類作っていました。
もちろん、品種によって病気に強かったり、貯蔵に向いてるなどの特徴が異なります。

品種によって味が異なるのか?

黄色玉ねぎ

左から、北見黄、スーパー北もみじ、オホーツク222です。

北見黄は、一度は栽培が途絶えた幻の品種で北海道の北見で栽培されています。
一般の北海道産たまねぎと比べて全糖含有量が2〜3度ほど高く、
淡路島産たまねぎとほぼ同等の甘み成分を含んでおり、甘みしっかり、食感シャッキリの特徴があります。
スーパー北もみじは、生で辛味は強く、煮くずれしないので、じっくり煮込む料理に最適です。加熱調理すると甘くなる品種です。
また、貯蔵性に優れています。
オホーツク222は、早生品種で辛みが少なく、みずみずしくて果肉がやわらかく歯ざわりが良い品種です。
芯ずれや抱き玉が少ないのも特徴です。

縦に半分に切った玉ねぎの写真です。

この写真のときの玉ねぎは、たまたまかもしれませんが「北見黄」が抱き玉でした。
もしかしたら、抱き玉になりやすい品種かもしれません。
ただ、それ以外は見た目に大きな変化はありません。

皮をむいた玉ねぎ

真ん中の「スーパー北もみじ」だけ皮の色が濃い気がします。
これも1つずつしか比較していないので、たまたまかもしれませんが。

くし切りにした玉ねぎ

3品種の玉ねぎをくし切りにして、水に浸した写真です。
白い器に入れたのは、色が同化してしまって間違ったかもしれません…。
分かりにくいかもしれませんが、見た目では違いはありません。

生でそれぞれ食べ比べてみました。
すると、明らかに「北見黄」だけ辛味が少なく、生でも食べられました。
他の2品種も食べられないことはありませんが、辛味が強かったです。
オホーツク222も辛味が少ないらしいのですが、私の舌では感じることが出来ませんでした。
ただ、「北見黄」だけは辛味がなく甘いと感じられました。

赤玉ねぎ

赤玉ねぎ(左から、レッドアイアーリー、レッドアイⅡ)

次に、赤玉ねぎでも比べてみました。
見た目には違いはありません。

レッドアイアーリーは、中早生8月下旬から出荷できる品種です。
レッドアイⅡは、中晩生ですが貯蔵性に優れています。
また、色がよくリングが鮮やかだそうです。

家に長く置いといたせいで少し芽が出てしまっています。
この写真ではレッドアイアーリーの方が中心までしっかり色づいています。
それ以外は違いはありません。

しっかり色づいています。
水に浸してサラダなどの生食で食べるのが向いています。
味の違いは感じることが出来ませんでした。

結果

味の違いや見た目のわずかな感じられた品種もあったが、違いを感じられない品種もありました。

まとめ

以上、玉ねぎの比較でした。
普段何気なく食べている「玉ねぎ」もたくさんの品種があります。
今回紹介したものはほんの一部の品種です。
「あれ!?ちょっと味違う?気のせいか」という時は、実は品種が切り替わっているのかもしれません。
そういうのを考えるとおもしろいですね。

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