「水」は植物の成長には欠かせないものです。
そして、そのための「水やり」は必須の仕事です。
しかし、単に植物に水をあげるだけではいけないそうです。
今回は、「水やり」について聞いた話をまとめてみました。
水をあげすぎていけない植物がある
植物の成長に「水」は必要ですが、植物の中には与えすぎると良くないモノもあります。
特に、与えすぎて良くないモノは「トマト」です。
トマトは、水をあげすぎると「徒長」という生理障害を起こします。
徒長とは、
作物・樹木の茎や枝などがむだにのびてしまうこと。肥料の過多、日照の不足などから起こる。
引用:コトバンク デジタル大辞泉 https://kotobank.jp/word/%E5%BE%92%E9%95%B7-583813
この下の写真が「徒長したトマト」です。
正常のモノより、節間が広くなっているので、そのぶん枝が少なく「実の収穫量」が下がってしまいます。
また、病弱でもあります。
原因は、
日照不足や肥料の過不足とかがありますが、
水のやりすぎも大きな原因となります。
苗は直接水を与えている以外からも、外部から水を吸収することがあります。
ビニールハウスでは、雨の日などはハウスに雨が溜まります。
また、外側の苗は雨で湿気が高くなります。
そのため、単に直接与える水だけではなく、外部の影響を見たうえで水をあげなくてはいけません。
そして、雨の後は換気してあげる必要があります。
トマトは、ストレスをかけた方が甘くもなるので、
少し水が足りないぐらいの方が良いかもしれません。
反対に、ナスやピーマンは水がちょっと多くても平気だそうです。
たかが水やり、されど水やり
水やりなんて、「小学校の水やり当番からやっているので簡単!」と、思う人もいるかもしれませんが、
ちゃんと考えて水やりをしないと他の作業に影響を及ぼします。
特に、私たちの出荷の作業では「横の苗を同じ高さで揃えて、見た目をきれいにする」
ことを大切にしているので、苗の成長に差があると高さが異なってしまうので大変です。
苗を置いている場所で日照などが異なるため、どうしても全てを統一することは難しいですが、
なるべく揃えるため「水やり」で同じに成長するよう調節しています。
具体的には、既に高く大きく成長している苗には水を少しだけにして、成長してほしい小さな苗にはたくさん水をあげることで、苗の大きさが揃うように調節しています。
一人前になるには10年はかかる
このセリフは、働いている社員さんが先代の社長さんから聞いた言葉だそうです。
それほどに、実際に上手く(=苗の成長の高さを揃える)水やりをするには難しいということです。
ビニールハウス内は、内側より外側の方が湿気が多いから水を少なめにとか、
この辺りは最近植えたからちょっと水を多めにとか、考えながら水をあげなくてはいけません。
きれいに苗の高さを揃えると、出荷作業の時も苗を選んで並べる作業が楽になります。
反対に揃っていないと、選ぶのに時間がかかってしまいます。
本当に、「たかが水やり、されど水やり」です。
おまけ
以前、「草引き」は方言ということを書きましたが、
私の出身である長野県では「水やり」あるいは「水あげ」のことを「水くれ」と言っています。
そのため、小学校の頃は「水くれ当番」という名の当番がありました。
会話でも、「そこの花に水くれといてー!」みたいな感じで使っていました。
その時は当たり前でしたが、県外にでたら「水くれ」が方言だと知りました。
まとめ
水やりは、どんな植物を育てるにしても必ず必要になるのでとても勉強になりました。
ただ、実際に土地を持ったりしないとどこが日当たりが良くて、どこが水が必要になるかなどは
それぞれ異なるのでやってみないと分からないことです。
自分が土地を持つことになったら、色々と検証したいと思います。
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