農家への道のり

まるで宝石のよう!さくらんぼの選果と品種について

今年は雨が多く、晴れの日があまりないのでさくらんぼに色がつかず、いつもの年よりも出来も良くないようです。
十分おいしいのですが、去年と全然違うらしいです。
農作物は天候に左右されるので本当に大変ですね。

今回は、前回紹介した「収穫」の他にもう1つの作業である「選果」について紹介します。
籠の中に収穫したさくらんぼが入っています。

さくらんぼ選果の方法


まず、1番重要な手籠を開けます。
片手で籠を持ち、傾けながらもう1つの手でさくらんぼを支えながら、中身を丁寧に籠から出します。
ゴロンと落ちて傷つかないように慎重にゆっくりゆっくりと行います。

机の上にさくらんぼが出たら、実の選果です。
さくらんぼを1粒ずつ見て、傷や色をチェックします。

B級品


日が当たらず色が薄いモノや傷がほんの少しついているモノ、小さすぎる粒をB級品にします。

ハネ


実が割れているモノをハネにします。
ハネはハネで加工として出荷されます。

捨て

腐っているモノや、あまりに売るにはひどいモノを捨ててしまいます。

このように除いていって、良いモノだけを詰めて製品にしていきます。
もちろん、B級品はB級品でパックに詰めて出荷します。


1つずつ丁寧に詰めていきます。
ちょっとでも当たると次の日には黒くなってしまうので置くようにします。


出来た商品は、箱に入れられ発送されます。

さくらんぼの種類

色んな品種のさくらんぼがあったので、品種を少し紹介します。

さとう錦


さくらんぼと言われると最も有名な品種です。山形で生まれた品種で、早い時期に取れる品種です。
甘みもありますが、酸味もあり、「Theさくらんぼ」という味だと感じました。

紅秀峰(べにしゅうほう)


果肉がしっかりしているため歯ごたえがあり、酸味が弱く甘みが強いさくらんぼです。
晩生で日持ちも良いことから栽培が増えてきています。
熟すと赤黒いような色になります。私的には、1番好きな品種でした。

南陽(なんよう)


実が他と比べてかなり大きいです。色も赤というよりはピンク色のさくらんぼです。
実が大きく、水分も多きため、ジューシーな感じです。

完成品を見るととても美しく、かわいらしく見えます。
1本の木からの収量が少なく、傷が目立ちやすいため丁寧に扱うため値段も高いです。
主な産地は北海道で特に余市町、仁木町が盛んです。

南(みなみ)


北海道で生まれた品種です。
漫画のタッチが好きなことから、「みなみ」と名付けたと聞きました。
熟すと甘いですが、あまり出回っていない品種です。

水門(すいもん)


写真の右側のさくらんぼです。
実がとんがっています。ハートのようにも見えます。
酸味が強く、ジャムへの加工に適しています。
ただし、完熟すると甘くおいしくなります。

大将錦(たいしょうにしき)


実がとんがり気味で、後ろに縦の線が入っているのが特徴です。
下の写真を見ると、左下の方のさくらんぼの後ろにうっすら線が入っているのが見えると思います。

濃い赤色が甘く、ただの赤色ではまだ酸味が強いです。
果肉は硬めで、甘さもあります。

月山錦(がっさんにしき)


黄色い珍しいさくらんぼです。
酸味がなく糖度が高く、さっぱりした味わいです。
しかし、黄色いため傷が目立ちやすく、栽培も難しいため、市場にはあまり出回っていません。

まとめ

以上、さくらんぼの選果と品種についてでした。
1粒1粒検品して丁寧に選果されているのが分かりました。
また、大切に扱うため神経を使う作業でした。目も疲れました。
そのため、テーブルには実に優しい緑色の紙が引いてありました。
ベテランさんたちによる手間暇がかかっているので、値段もするのだと納得しました。

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