農家への道のり

アスパラガス防除

現在は、ブロッコリーの作業が中心ですが、他にもアスパラガスの伏せ込み用の苗も育てています。
伏せ込み栽培とは、あと1か月ぐらいしたら、アスパラガスの株を掘り上げて、ハウスに移し替え、冬に収穫するという栽培方法です。
そのため、5月頃からアスパラガスの苗を植えて株養成しています。
しかし、手入れをしていないと、草が生えてきたり、虫が付いたりと色々な問題に遭います。
特に、防除をしないと病気にかかったり、虫がついたりとしてしまいます。
そこで、今回はアスパラガスの防除について紹介します。

道具

  • ポリタンク
  • 動噴
  • ホース
  • 防除用噴口ノズル
  • 薬剤
  • (合羽やマスク等の防除用の服装)

害虫

おそらくオオタバコガ

アスパラガスの害虫と言うと、アブラムシや ネギアザミウマ など色々ありますが
特に被害が大きい害虫というと、この「ジュウシホシクビナガハムシ」です。

ジュウシホシクビナガハムシ(成虫)

長野県内では山間の山沿いの畑に発生が多く、各地で被害が目立つようになった。
アスパラガスが春先萌芽を始めると、越冬成虫が逐次固場に移動してきて、寄生し食害を始める。寒い日には寄生は少ないが、暖かい日中は1本のアスパラガスを数多くの成虫が加害する。

食害されると茎は曲がったり、上部の加害部がへこんで変色したりして、商品価値が低下する。次々に萌芽するアスパラガスが加害されるので、被害は大きい。

長野県農業関係試験場  農作物病害虫データベース( ジュウシホシクビナガハムシ)
ジュウシホシクビナガハムシ(幼虫)

収穫打ち切り後、主茎が伸びてくると幼虫がみられるようになる。幼虫は3対の脚で器用に擬葉につかまり、むさぼるように食害する。発生が多いと擬葉がなくなり、表皮をかじられた茎だけになってしまう。翌年の収穫量に影響を与えることになる。

長野県農業関係試験場  農作物病害虫データベース( ジュウシホシクビナガハムシ)

ジュウシホシクビナガハムシは、成虫のまま越冬して春頃産卵して、6月ごろから新成虫が出現して、越冬に入るまで加害を続けます。
放置していると、アスパラガスの商品価値が下がってしまいます。
そのため防除が必須です。

病気

他にも、病気の予防をしないといけません。
アスパラガスで最も被害が多いのは、「茎枯れ病」です。

茎枯病

病原菌は不完全菌類の一種で、病斑上に黒色小粒点(柄子殻)を形成し、中に柄胞子がつくられる。これらが放出され、まん延する。越冬は残茎上で柄子殻の形で行われ、伝染源となる。梅雨や秋の降雨の多い時に発生が多い。

長野県農業関係試験場 農作物病害虫データベース(茎枯病)
茎が枯れ、擬葉が黄化、枯死する。

茎枯れ~黄化~乾燥枯死に至るため、株の茎立本数が極端に少なくなります。
その後、株全体が弱り、欠株に陥り、圃場内で散見されるようなり、収量が激減します。

露地栽培のアスパラガス茎枯病に対する体系防除(IPM)プログラム

つまり、感染した茎やその残渣、感染したところから飛んだ胞子の菌で次々と感染が広がっていきます。
感染したら防除は必須なことはもちろん、1度感染すると食い止めるのが大変なため、初期防除によって感染を予防することが大切です。

やり方

写真では見えませんが、実際に防除する人と後ろでホースを引く人、2人1組で行います。
このアスパラガスはまだ小さいため、このようなピストル型の噴口で防除しました。
アスパラガスに防除液がまんべんなくかかるようにします。
そのためにも、噴口から霧状のシャワーみたいに出るように調整します。

この作業を1本1本のアスパラに行います。
丁寧にかつ、液体の残量もあるのでリズミカルに防除します。
また、特に虫が多くついている所や病気になっている所にはより重点的にかけます。
3反ちょっとで3、4時間かかりました。

まとめ

以上、アスパラガスの防除についてでした。
本来ならもっと早くやらなくてはいけませんでしたが、他の作業に追われて防除するのが遅くなってしまいました。
茎枯れにも感染しているのでこの防除で少しでも被害が抑えられたら良いです。

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