その他

パセリ研究②

前回のパセリの研究①で、概要と外観変化をまとめました。
今回は残りの測定内容である、表面色変化と

研究② 表面色変化(分光色差計)

分光色差計という機器を使って、目で見る色の変化だけではなく、数値としての変化を測定しました。

井原電子工業 https://www.ihara-group.com/ihara_info/Color/jp/color/products/prod_spectro_s900_jp.html

パセリに機器を当てて、ボタンを押すことで、「ピピッ!」といって色を数値で測ることができるのです。
簡単に言うと、人間の目と同様に赤・緑・青の3刺激を測定して数値化する機械で、数値が高い方がより緑色に近いと分かるのです。
つまり、新鮮であると言えるのです。
さらに、逆を言えば値が低いほどより黄色く(緑色ではない)、新鮮ではないということです。

さらに詳しくは、以下を参考に調べてみてください。
色差を数値化する方法として、もっとも一般的な「CIE1976 L*a*b*色差式」についてご説明します。この方法では、L*a*b*表色系で得られた値「L*/a*/b*」の差を「⊿L*/⊿a*/⊿b*」として2つの色の違い(=色差)を算出します。色差を⊿E*abとした場合、以下の計算式で求めることができます。

引用:ソクシリ
http://www.keyence.co.jp/microscope/special/imagemeasure/sokushiri/news/006/
参考:konicaminolta http://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/part2/06.html

測定方法

今回は、1個体3点の表面色を計測して、平均してそれを5個体で行いました。
また、その5個体の値をさらに平均して数値に出しました。
                   4℃貯蔵                                                                     25℃貯蔵
    

①の実験でもまとめましたが、貯蔵が進むにつれて、黄色く老化していると言えます。

hule angleというのが、表面色つまり色のことです。
値が180°に近いほど緑色で、90°に近いほど黄色を表します。

4℃で貯蔵したパセリは、Day0とDay6で最初の123°で、あまり値が下がらないのに関わらず、
貯蔵25℃のパセリは、最初のhule angleの値が123°だったのが、Day6で115°ぐらいに下がっているのが分かります。

考察

この実験の結果から、
貯蔵4℃と25℃では4℃の方が品質が保たれて、25℃では、黄色くなり老化が進むことが言えます。
貯蔵するなら、4℃ぐらいの冷蔵庫に保存して、室温ぐらいの25℃では品質が低下することが分かりました!!

研究③ クロロフィル含量、カロテノイド含量
(N,N-ジメチルホルムアミド法)

この2点を調べると更に詳しく、品質の低下、変化が分かります。
1つ目クロロフィルについて
緑色成分のクロロフィルは、植物の光合成に必須の色素です。このクロロフィルは、葉の老化や果実の成熟などに伴い分解されます。
そのため、クロロフィルが多いほどより緑色で、少ないほど老化が進み緑色ではないうことです。

2つ目の、カロテノイドについて
カロテノイドは、以下の通りです。
動植物界に広く分布し,黄橙・赤・赤紫色を示す色素の総称。カロテン・キサントフィルなどがある。ニンジン・トマト・カキなどに含まれる。カロチノイド。

と、書いてありますが、一言で言うと、「黄色の色素」ということです。
つまり、簡単に言うと、カロテノイドが高いほど「より黄色い」ので、品質の低下が大きいということです。

クロロフィルの値が高いほど、緑色で新鮮。
カロテノイドの値が高いほど、黄色く新鮮ではない。

この測定で出た値からグラフを作成すると、以下のようになります。

1、クロロフィル(緑色の色素)

クロロフィルには、aとbがあるのですが、最初はほぼ一緒だったのに関わらず、どちらも4℃貯蔵より25℃貯蔵の方がクロロフィルの低下が大きいです。
さらに、低下が著しいのはDay4からDay6にかけてです。上の写真でも分かるように、Day4とDay6は色が緑色から黄色になったのがよくわかると思います。

2、カロテノイド(黄色の色素)

カロテノイドも、4℃と25℃では最初はほぼ値が同じだったのに関わらず、25℃の方はDay2~Day4にかけて大きく下がっています。
つまり、25℃貯蔵の方が4℃貯蔵に比べて、品質の低下が大きいと言えます。

まとめ

研究の結果、パセリにおいて25℃より4℃で貯蔵した方が品質が保たれることが分かりました。
また、これはパセリのみならず、緑色の野菜は品質低下が著しいので
保存は4℃ぐらいが保たれる冷蔵が望ましいです。

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