静岡を終わらせ、長野のファームかずとさんで少しの間働くことになりました。
ここではトウモロコシ(ゴールドラッシュ)をメインに作られています。
長野県の北端に位置し、新潟県と県境にある信濃町は標高が高く、昼夜の寒暖差が大きいためとうもろこしが甘いと有名です。
夏になるとトウモロコシの直売所が並ぶ「もろこし街道」が人気だそうです。
ファームかずとさんでも夏に向けて今から種まき、定植が行われています。
しかし、今の時期は朝方は3℃とかまだ低温が続いています。
トウモロコシはどちらかと言うと高温に強く、寒さに弱いため、定植後の低温は大変危険です。
霜が降りたら上手く育たなくなる恐れがあります。
そこで、寒さから守るため「べたがけ」という作業をしました。
今回は、そんなべたがけについてまとめてみました。
べたがけとは
引用:月報 野菜情報
主に作物を低温から守るためにべたがけ資材をかけることです。
トンネル栽培(ビニールを張ったモノ)するのと同じような役割です。
ただし、トンネル栽培の場合、気温上昇によりトンネル内の温度が上がることがあるので換気が大切です。
べたがけ資材は、不織布のため通気性及び吸湿性と適度な保温性を併せ持ちながら、透光性が大きいので、べたがけをしたままでも生育障害の心配がほとんどありません。
外気よりも1~2℃ 高く保ち、寒風による葉傷みを少なくするというお手軽な資材です。
播種直後の発芽ぞろいが良く、また活着を促進します。
通気性があり、作物に直接かけて利用できる資材をべたがけ資材と総称している。性状により不織布、寒冷紗、化繊ネットに分類される。
べたがけには「じかがけ」と「うきがけ」の2種類のかけ方があります。
引用:JA埼玉
①じかがけ
資材を直接、作物の上にかける方法
〇メリット ・作業が簡単
×デメリット ・作物と資材が直接接するため、強風時などに擦れて茎葉が傷む
②うきがけ
トンネル用の支柱を使い作物と資材の間に空間を作る方法
〇メリット ・じかがけより保温性が高い
・作物と資材が接触しないため、葉傷みが少なく秀品率が高まる
×デメリット ・支柱を準備しないといけない
また、べたがけに使われる不織布には、長繊維不織布や割繊維不織布があります。
長繊維不織布
〇メリット:比較的安価で、なおかつ軽いために扱いやすい
×デメリット:強度や耐久性がやや低く使い回しがきかない
例:パオパオ、パスライト等
割繊維不織布
〇メリット:耐久性は高く概ね5年程度の利用が可能な資材です。
熱線(赤外線)を逃しにくく、夜間の保温効果にも優れています。
吸湿性があり、結露を軽減する利点もあります。
×デメリット:やや高価な資材です。
例:ベタロン、ワリフ等
トウモロコシの苗の植え方
トウモロコシの苗を機械に乗せます。
クボタの機械です。
ファームかずとさんでは、1人で機械を動かし、1条植で往復して1列のマルチを2条植にしていました。
同じ機械は見つけられなかったですが、気になる方はこれに 似た機械 を見てみて下さい。
前回のやさいの樹さんでは、レタスやキャベツの定植の時と同じ「ちどり」を使い、
2人で機械を押して動かし、3条植で植えていました。
パオパオの張り方
ここでは、「うきがけ」の方法でかけるため、最初に支柱を挿します。
次に2人でパオパオをのばしながら張り、飛ばないようにパッカーで留めていきます。
その後、くわを使い土をでパオパオの裾に乗せて固定します。この段階はまだ仮留です。
最後に、管理機を使い、土を完全にパオパオの裾に乗せて風で飛ばないようにします。
このような作業でべたがけが完了します。
これで、朝方の寒さなどからトウモロコシを守ることが出来、結果よい作物ができます。
参考:
・JA東京みどり http://tokyomidori.jatokyo.or.jp/newsletter/85/einou.html
・ユニチカ パスライト https://www.unitika.co.jp/nonwoven/applications/agricultural-materials/img-pdf/passlite.pdf
まとめ
以上、べたがけについてでした。この作業が続くので頑張りたいと思います。
何日もやるので、最初の日よりどんどん手際がよくなっています。
この記事へのコメントはありません。