農家への道のり

逆三角形に形を作る!ぶどうの摘粒(粒抜き)について

山梨県は6月8日頃に梅雨に入りました。
しかし、梅雨入りしてからも晴天が多く暑い日が続いています。
そうかと思うと、小雨になったりと天気が安定しません。これが梅雨なのかもしれません。

前前回、ぶどうのジベレリン処理について紹介しました。
今度は次の作業「摘粒(てきりゅう)」について紹介します。

摘粒(てきりゅう)について


ぶどうの粒が混み合った部分や生育が悪い小さな果粒を一粒単位で間引いて房をつくることです。
「粒抜き」とも言います。
ぶどうの逆三角形の形を作っているのは、実は農家さんの手によるものだったのです。
何も手をかけないと小さく不揃いな粒があるぶどうになってしまいます。

目的

・ぶどうの粒の間隔が狭いと、粒が大きくなった時に粒同士がぶつかって、潰れてしまいます。
また、潰れることで病気の原因にもなります。
・ぶどうの粒を揃えることで見た目を良くして品質を上げるため

道具

はさみ


はさみには、目盛りもついていて摘房のためのスケールになっています。

やり方


ぶどうの棚です。ぶどうがたくさんなっています。


摘粒前のぶどうの房を見てみると、このように中の方が込み合っています。


粒と粒が当たっています。このままでは、粒が裂けたり、大きくなれず小さいままになってしまいます。
下や内に入り込んでいる粒は切り落とします。

私たちそこまでは詳しく切り方を教わりませんでしたが、詳しい切り方は下のサイトを見てみて下さい。
きちんとした切り方には決まりがあり、農家さんたちはそれを素早くやってしまうのですごいですね。

ブドウの摘粒のポイント


切り揃えると、このようにほどよい隙間が空ききれいな形になります。
これでぶどうが成長して粒が大きくなる余裕が出来ます。


もし、中の方にあるぶどうの粒を切らないと他のぶどうの粒に押されて、
写真のように粒が裂けてしまう可能性があります。
これがあると見た目が悪くなり商品にもなりません。

ピオーネ


はさみを使い、パチパチパチパチと粒を切っていきます。
ハサミを使って形を整えるので美容師みたいな気分になります。
1つとして同じ形はないぶどうの房を成長した姿を想像しながら一番ベストな形に切りそろえます。

藤稔やピオーネという王道から、ゴルビーやオリエンタルスターなどあまり聞いたことない品種まで
様々種類があります。

マイハート Or ウインク?


粒がピーマンみたいな形をしているぶどうです。
品種が分からなかったのですが、調べてみたらウインクかマイハートの可能性が高いです。
ピーマンじゃなくてハートの形に見えるとのことです。

シャインマスカット


人気の品種であるシャインマスカットはこのようになります。
これで粒が押されることなく大きく成長できます。

おまけ


粒の中には、くっついてしまったのかなぜかハートのような双子の粒がありました。
生長したらかわいくなるかもしれませんが他の粒が当たってしまうので切ってしまいましたが。

まとめ

以上、ぶどうの摘粒(粒抜き)でした。
一房ずつ摘粒しているとは思いませんでした。
時間と根気がいる作業です。

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