その他

間引いた桃の実!摘果桃(若桃)について

桃を育てていると、桃の摘果(てきか、てっか)作業 で、落とされてしまう実がたくさんあります。
これは、栄養を集めて大きな桃の実をつくるため必要な作業ではありますが、
落とされた実はもったいないような気がします。

桃の実は、桃の花が枯れたところに実ができます。野菜でいうとトマトも同じです。
つまり、花の数だけ「実」が出来るということです。
しかし、ほぼ一枝に1つだけ実を残すのでかなりの数の実が摘果されます。


*写真は摘果して地面に落ちた若桃です。

摘果された桃は木の下に落とされ腐敗?干からびて土に帰ります。
もし、これが何か利用出来たら今まで捨てていた0円だったものが利益になるということです!

そんなときに、この摘果した若桃を使った商品があると聞きました。
今回は、そんな摘果桃(てっかもも)について紹介します。

若桃について


まだ色づかず青い実です。
大きさも小さいです。これが大きくなると立派な桃になります。
取る時期にもよりますが、500円玉より大きいモノもあります。
ただし、大きすぎると種が出来て硬くなってしまうので小さめの方がいいです。

商品について


商品:若桃糖漬け  石和青果市場 写真:山梨日日新聞より
https://www.agrinews.co.jp/p44406.html

食べてみると、カリッとした梅のような食感です。
また、若い桃ですが桃のほのかな味、香りがあり、見た目との違いでびっくりします。
もちろんおいしいです!


商品:ももっこぶどう酢漬け(若桃のピクルス)  アサヤ食品株式会社
http://www.asayafoods.com/products/157

さらに詳しい情報はこちらを見て下さい!
・一粒で桃の香りが広がる、種までトロリとやわらかい「若桃の甘露煮」 https://ippin.gnavi.co.jp/article-4366/
・福島の珍味?「若桃の甘露煮」の美味さと女性に嬉しい効果とは? https://shifukuma.com/candied-young-peach/

若桃の甘露煮レシピ

このように、摘果桃を使った商品がたくさんあるので、少し取っておき実際に作ってみました。
今回は、こちらのサイト を参考に作りました。
参照:若桃の甘露煮の作り方|地場もん屋 – 地場もん屋総本店 http://www.jibamonya.com/?tid=100148


1、若桃を塩で揉み洗いします。かなり産毛が散乱する。親指でキュッキュッとするととれます。
2、軸を取ります。
3、若桃がかぶるくらいの水を入れた鍋で50度くらいになるまで茹でてお湯を捨てます。これを三回ほど繰り返します。   (残った産毛が取れやすい)

4、別の鍋に水600ccと材料のお砂糖の3分の一を入れてガーゼ、又は、落としぶたをして煮立つ前に弱火にして5分煮ます。 5、アクが浮いてくるので、アクの除去を行います。

6、アクをとったら、残りの半分の砂糖を入れてまた弱火で5分煮つめます。
7、残り全部のお砂糖を入れて弱火で6分程煮つめます。
8、実を取り出し、取り出した後のシロップ液を半分になるくらいまで煮詰めます。

9、煮詰めたシロップが熱いまま、取り出した実を密閉容器に入れ浸し、あら熱が取れたら冷蔵庫で保管で完成です。 当日から二ヶ月おいしくいただける。 とのこと。

しかし、手順通り作ってみましたが・・・あれ?色が汚い。鮮やかな緑色はどこに行った?
と、思わずおもうほど色が加熱するほど変色してしまいました。
聞いた話によると、変色を防ぐには「銅鍋」を使う必要があるらしいです。
それか、10円玉を洗って鍋に入れれば良いそうです。「銅」がキーワードのようです。
実際に試してないのでどうなるか分かりませんが・・・。


見た目は、ちょっとおいしくなさそうですが味はおいしかったです。
少し大きめの実だったので種が少し気になりましたが、風味が梅の香りに近く歯ごたえがありました。


もし、次また作る機会があれば反省を生かしたいです。
「銅」なんですかね?どうなんでしょうか?(笑)

また、調べているなかで他にも摘果桃についての論文等も発見したので見てみて下さい!
いろいろと見るとおもしろいです。

・摘果ももの調理加工品の開発 – 佐野日本大学短期大学学術 山崎敬子 著
https://sanotan.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=62&item_no=1&attribute_id=19&file_no=1

・研 究 テ ー マ – 山梨県
https://www.pref.yamanashi.jp/yitc/kit/documents/24_k09.pdf

まとめ

以上、摘果桃についてでした。調べてみると色々とレシピがあるようです。
これも農家さんたちが問題と気づき、考え、行動したことから生まれたものだと思います。
農業では加工などしてできるだけ無駄なく出荷するという点は大切だと改めて思いました。

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コメント

    • 清水英寿
    • 2019年 2月 01日

    57歳になりますが、小学生の頃駄菓子屋で種まで食べられる梅漬けがあって、当時、一人のおじいさんが漬けているので、亡くなったらおわるお菓子といわれていました。ずっと探して、若梅の実やプラムで試すこと30年!本日群馬県の農場試験場の友人から、おせちに若モモののお菓子があると聞きました。あの頃梅干しだと思っていた塩漬けはモモの塩漬けだったのではないかと思い当たりました。若モモでヒットしたのが貴サイトです。間引く若モモの収穫時期は五月頃でしょうか?
       群馬県高崎市 清水歯科医院 清水英寿 拝

      • agri12-girl
      • 2019年 2月 03日

      >>清水様
      こんにちは。
      この度は、サイトを見つけていただきありがとうございます。
      桃の実を間引く作業は、5月の2週目ぐらいから行いました。
      清水様が昔食べたものが若桃かどうかは分かりませんが、
      若桃も口に入れたときに「梅の風味」がします。
      摘果する時期にもよりますが、大きさも梅の実と同じぐらいです。
      もし、長年探されていたものだとしたら私もうれしいです。
      想いでの味が見つかることを願っております。

    • カオリ
    • 2020年 1月 28日

    桃農家のカオリです。
    桃の加工について調べていたところ、この記事に行き着きました。
    摘果されて落ちた桃、ずっと「もったいないなぁ…」と思っていたのです。
    摘果桃を使用した商品がすでにあると知ったときにはもう桃のシーズンが過ぎていたので、今年チャレンジしようと思っています。

    そこで教えていただきたいのですが、消毒と加工に出すタイミングって無関係ですか?

      • agri12-girl
      • 2020年 2月 15日

      >>桃農家のカオリ様
      確かにそうですよね。せっかくの桃の実、何か使えたらよいですよね。
      わざわざ質問して頂いたのですが、私の場合は自家用で加工したので正しい回答が申し上げられません。
      申し訳ありません。
      ここからはあくまで私の考えですが、加工品によって、私の作ったシロップ漬けのような場合は煮沸するので消毒も落ちると思います。
      ただ、それを商品として売るとなる場合は実際に加工している会社や工場に聞いてみた方が良いかもしれません。
      お役に立てたか分かりませんが、今後カオリ様が摘果桃を上手く商品化できることを応援しています。

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